SDGsへの思い

岩美渚泊推進協議会の事業者を紹介します。

山陰松島遊覧/川口博樹

 浦富海岸島めぐり遊覧船を運航しています。95人乗りの大型遊覧船や狭い航路を通ることができる小型船、船の底から海が見えるグラスボート、プライベートクルージングや食事を楽しめる船など、青い海と日本海の荒波によって形成された奇岩、洞門、洞窟などの壮大な景色を船長の解説付きで楽しめます。創業は1963年。子どものころから海が遊び場だったという川口さん。遊覧船に乗せてもらった海での楽しい思い出を、いまの子どもたちにも体験してほしいという思いで続けています。2021年には、きれいな海を守るために、陸上からは行けない海岸清掃もできるクルージングツアーを企画。食事ができる船の運航を始めたことをきっかけに、船やカフェで提供する容器はプラスチック製から紙製の容器に変更しました。竹製のストローや木製のスプーンなども使用し、海の環境に配慮した取り組みを始めています。「これからもいろんなメニューを企画してお客様に海を楽しんでほしいです」

ブルーライン田後/山崎英治

 岩美町の田後港を拠点に、日本海の海の中を案内するダイビングショップ。南国の海のような派手さはないものの、海の透明度は高く、山陰海岸ジオパークのダイナミックな地形は海中にも広がっています。対馬海流の影響を受け、熱帯、温帯から寒帯の生き物まで、四季の移り変わりとともに、ソラスズメダイやサクラダイなどの季節来遊魚、冬限定のサクラダンゴウオ、タツノオトシゴやカラフルなウミウシたちなど、さまざまな生き物に出会えます。2021年には25人乗りの船を新たに導入し、鳥取砂丘沖にも潜れるようになりました。2010年の開業以来、誰よりも岩美の海に潜り続けている山崎さん。海藻にビニールが巻き付いる場面に遭遇してビニールを除去したこともありました。いつも海中の様子に気を配り、お客様にはできる範囲でのゴミ拾いを呼びかけ、水産関係者や研究者にも情報を提供しています。「きれいな海を楽しんでもらいながら、ついでに海ゴミにも感心をもってもらえたらと思います」

フィッシングガイド大作丸/笹井大作

 プライベートフィッシングが楽しめる遊漁船「大作丸」。2021年にオープンしました。田後港に2隻の遊漁船を所有し、少人数での貸し切りにも対応しています。漁場までは5~30分ほど。近場に岩礁帯があり、魚が多く、船釣りの環境には最適。マダイ、アコウ、ヒラマサ、アオリイカのほか、6月から9月ごろには白イカ釣りもできます。ルアーフィッシングを始めてみたいという初心者や子ども連れもOK。仕掛けの作り方や釣りの仕方、美味しく食べる方法までサポートしています。20cmほどの小さい魚やお客様が食べない魚は、海に戻せるように処理をしてリリース。10年後も、20年後も、岩美の海を守り続け、魚を減らさないために「食べない魚や食べきれない分の魚は逃がしてあげましょう」と呼びかけています。地元の漁業組合に所属し、漁業者として活魚を出荷することもある笹井さん。「協議会のメンバーで情報共有をして、自分たちのできることに取り組んでいきたいです」

cafeニジノキ/川元壮一・仁子

 浦富海水浴場の近くにあるカフェで、カレーとコーヒーを提供しています。空き民宿をリノベーションした2階の店内は、海を見ながらくつろげる心地よい空間。旬の有機野菜や地元で捕れる魚など地産地消を心がけ、手作りスイーツも人気。山陰の窯元で作られたお皿やコーヒーカップで提供しているので、手仕事の器も楽しめます。プラスチック製品はできるだけ使わず、紙製のストローを使用。食器用洗剤は排水への影響を考え、分解しやすく環境によいものを使います。自分たちが住みたい町であり続けるために、循環型の暮らしを実践し、お客様にも少しずつ提案していくことが理想。近くの生産者の食材を使うことは、食料輸送に伴う環境負荷の軽減につながっています。今後はジビエのメニューも検討中。2022年3月6日には、一棟貸しの宿「海の家ムースカ」をカフェの近くにオープン予定です。「多少不便でも、きれいな砂浜など岩美の自然をいつまでも残していけるように取り組んで、地元で経済がまわるようにしていきたいです」

ディベロップサーフ&シー/山下明男

 浦富海岸でマリンアクティビティを提供しています。サーフィン、カヤック、SUP、シュノーケルの体験ができ、海岸沿いの美しい海をそれぞれ違った目線で満喫できます。講習を受けたガイドがサポートするので、初心者でも体験可能です。サーフィン歴約30年の山下さんは長年、サーファーやカヤックのガイド仲間と海岸清掃を続けています。5年ほど前に岩美町観光協会や環境省と連携して始めた「おそうじカヤック」は、陸からも漁船からも近づけない洞窟や岩場などの海辺に漂着したゴミを小回りの利くカヤックに乗って回収する取り組み。今では町内外の小中学生が校外学習や修学旅行の一環で体験することもあり、カヤックを楽しみながら海ゴミに関心を持つきっかけになっています。2022年春には東浜エリアに引っ越し、ワーケーションにも対応した素泊まりの民宿を開業予定。「これからも岩美の良さを残すため、海岸清掃だけでなく、山での清掃活動にも着手したいです」

東浜民宿20号中村/中村憲行

 自家栽培の新鮮な野菜とオーナー自らが捕った魚介類が食卓に並ぶ民宿。「ただいま!」と言いたくなるような雰囲気で、温かくお客様を迎えています。最寄り駅の東浜駅から徒歩10分ほど。近くには東浜海水浴場やバーベキュー施設があり、臨海学校や合宿といった団体利用にも対応しています。5月下旬から6月中旬には、個人のお客様向けにアゴ(トビウオ)すくい体験を実施。日没後に出港し、集魚灯に寄ってくる美しく青いアゴを船上から網ですくいあげます。特産の板ワカメづくりや原木シイタケ、多品種の野菜や果物を栽培し、農業と漁業をしながら民宿を営む中村さん。季節とともに移り変わる自然を日常的に体感してきました。「田畑をする人が減っている」「浜がなくなってきている」と、心配なこともありますが、漁に出る前にゴミを拾ったり、耕作放棄地を借り受けて野菜を作ったりすることで地域に貢献しています。「漁に出て、畑を耕し、自給自足の暮らし。新鮮な食材でおもてなしします」

ゆうなみ小屋/横山貴俊・真由

 岩美町の東浜エリアにある1日1組限定の素泊まり宿泊施設。空き家をリノベーションし、2021年7月より本格オープン。海と川と山に囲まれ、日常から離れてのんびり過ごせる宿です。夏は海水浴や川遊びがメイン。いい波の日にはサーファーが多く訪れるエリアです。海水浴シーズン以外でも、海を眺めながら好きな本を読んだり、音楽を聴いたり、一日中ゆうなみ小屋で過ごすのもおすすめ。簡易キッチンのあるラウンジにはコーヒー豆が常備してあり、本棚には絵本、写真集、小説など、いろいろなジャンルの本が並んでいます。お客様が気持ちよく砂浜を散歩できるようにと、目の届く範囲で海岸のゴミ拾うことが日課になっている横山さん夫婦。宿では使い捨ての歯ブラシの提供はなく、持ち帰って使ってもらえる竹製の歯ブラシをプレゼントしています。ホタルや満点の星空も楽しめる自然豊かなロケーション。「ここに住みながら、周辺の自然がよくなるように取り組んでいきたいです」